以前こちらの記事でPCPADの入力遅延を低減させる方法としてhidusbfを用いた設定方法について紹介しました。
しかし、その時に紹介例として使用したコントローラーがXbox Oneのコントローラーでしたので、普段PS4のコントローラーをPCゲームで使用している方の中でPCに不慣れな方にとっては解りづらかった方もいるかと思います。
そこで今回はPS4コントローラーを紹介例にhidusbfの設定方法について画像付きで詳しく紹介していきます。
hidusbfを用いてPS4コントローラーの入力遅延を低減させる設定を行っていく前にやっておくべきこと
①セキュアブートを無効にしている場合は有効に設定しておく
hidusbfを用いてPS4コントローラーの入力遅延を低減させる設定を行っていく前にセキュアブートを無効に設定している場合はセキュアブートを有効に設定しておいてください。
(少し前まではhidusbfを利用するにはセキュアブートを無効に設定した状態でないといけませんでしたが、今はセキュアブートを有効に設定した状態でもhidusbfを利用できるようになる設定方法が発見されましたので。特にValorantなどの一部のゲームは、Windows 11ではセキュアブートを有効に設定していないと起動すること自体できないようになっています。)
お使いのPCのセキュアブートが有効に設定されているのか無効に設定されているのかを確認する方法については、こちらに記事を書きましたのでご覧ください。
②レジストリエディターでUpgradedSystemというDWORD値を作成し、値のデータを1に設定する
Windows 11でhidusbfを利用できるようにするためにレジストリエディターでUpgradedSystemというDWORD値を作成し、値のデータを1に設定していきます。
設定方法は以下の通りです。
②-①レジストリエディターを起動する
まず、レジストリエディターを起動します。
※レジストリエディターの起動方法がわからない方は、こちらの記事をご覧ください。
(Windows 10となっていますが、Windows 11でも起動方法は同じです。)
②-②「コンピューター¥HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControlSet¥Control¥CI¥Policy」まで展開し、Policyフォルダーをクリックする
レジストリエディターを起動しましたら、次に「コンピューター¥HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControlSet¥Control¥CI¥Policy」といったようにフォルダーの左側に表示されている△ボタンをクリックしてPolicyフォルダーまで展開していきます。Policyフォルダーまで展開しましたらPolicyフォルダーをクリックします。
②-③Policyフォルダーの空白部分を右クリックして「新規」の中にある「DWORD(32ビット)値」をクリックする
次にPolicyフォルダーの中の空白部分を右クリックして「新規」の中にある「DWORD(32ビット)値」をクリックします。
②-④作成したDWORD値の名前を「UpgradedSystem」に変更する
次にこのようにDWORD値が作成されますので、
そのDWORD値の名前を「UpgradedSystem」に変更します。
②-⑤「UpgradedSystem」をダブルクリックし、値のデータを0から1に変更してOKをクリックする
次に「UpgradedSystem」をダブルクリックして、
それで表示される中にある「値のデータ」を0から1に変更し「OK」をクリックします。
②-⑥レジストリエディターを閉じて一度PCを再起動する
次にこのように「UpgradedSystem」の値のデータが1になりましたら、今行った設定を適用させるためにレジストリエディターを閉じて一度PCを再起動します。
※もし、Policyフォルダーの中に「EmodePolicyRequired」「SkuPolicyRequired」が無い場合は、
それぞれ「DWORD(32ビット)値」で作成し、値のデータを0に設定しておいてください。(どうやら人によっては、これらのDWORD値がPolicyフォルダーの中にない方もいるようでhidusbfが利用できないという方もいるようですので。)
③コア分離のメモリ整合性をオフに設定する(②のレジストリエディターの方法だけではhidusbfを用いたPS4コントローラーの入力遅延を低減させる設定ができない方はこちらの設定も行ってください!)
人によっては、上のレジストリエディターでUpgradedSystemというDWORD値を作成し、値のデータを1に設定するだけでhidusbfを利用できるようになるようですが、私の環境下ではそれだけではhidusbfを利用することができなかったので、追加で「コア分離のメモリ整合性」をオフに設定することでhidusbfを導入することができ利用できるようになりました。
「コア分離のメモリ整合性」をオフに設定する方法は以下の通りです。
③-①隠れているインジケーター内にあるWindowsセキュリティのアイコンをダブルクリックする
まず、タスクバーの△をクリックして表示される隠れているインジケーター内にあるWindowsセキュリティのアイコンをダブルクリックします。
③-②デバイスセキュリティをクリックする
次にWindowsセキュリティ内にある「デバイスセキュリティ」をクリックします。
③-③コア分離の詳細をクリックする
次にデバイスセキュリティ内にある「コア分離の詳細」をクリックします。
③-④コア分離のメモリ整合性をオフに設定する
次にコア分離のメモリ整合性がこのようにオンに設定されていますので、クリックして
その時に表示されるポップアップ内にある「はい」をクリックして
コア分離のメモリ整合性をオフに設定します。
そして、コア分離のメモリ整合性をオフに設定しますと、このように通知欄へPCを再起動することを求めるポップアップが表示されますので、今行った設定を適用させるためにPCを一度再起動します。
PCを再起動しましたら、後は下の段落に記載している方法などを用いて「hidusbf」を導入して完了となります。
hidusbfの導入方法&hidusbfを用いてPS4コントローラーの入力遅延を低減させる設定方法
①「hidusbf.zip」をダウンロードする
上の段落で紹介した設定を適用したうえで、ここからは今回PS4のコントローラーの入力遅延を極限まで減らすソフトとして「hidusbf」の導入方法を紹介していきますので、まずこちらのhidusbfの公式サイトへアクセスしてください。
そして、そのページ内にある「hidusbf.zip」をクリックします。
そうしますと、このようなページが開かれますので、そのページ内にある「Download」をクリックして「hidusbf.zip」をダウンロードします。
(ファイルの保存先はどこでもOKです。どこに保存したらよいかよくわからない方は、とりあえずダウンロードフォルダーに保存しておけば大丈夫です。)
②hidusbf.zipを解凍し、PS4コントローラーを有線接続した状態で「DRIVER」フォルダー内にある「Setup.exe」をダブルクリックして起動する
次に保存したhidusbf.zipをこのように解凍しましたら、
PS4コントローラーをPCに有線で接続し、今解凍したフォルダー内の「DRIVER」フォルダー内にある「Setup.exe」をダブルクリックして起動します。
③「ALL」をクリックして選択する
次に左上にあるこの部分をクリックし、
その中にある「ALL」をクリックして選択します。
④デバイスの一覧の中からPS4コントローラーを探して選択し、青色の状態になるようにする
そうしますと、このように今PCに接続している機器が一覧となって表示されますので、その中から接続しているPS4コントローラーを探してクリックして選択し、このように青色の状態になるようにします。
(この時、接続したPS4コントローラーがどれか判別ができない方は、あらかじめPCに接続するUSB機器を最小限にしておくことをおすすめします。また、名前が文字化けしていますので、ワイヤレスコントローラーとなっている機器を目印に探すのがおすすめです。)
(因みにblntervalはデータ転送における転送周期(ms)のことで私の環境下で今は「5」となっていますが、次の段落からこのblntervalを「1」になるように設定していくことになります。)
⑤「Filter On Device」にチェックマークを入れ、Selected Rateを「1000」に変更し、「Install Service」をクリックする
次にそのPS4コントローラーを選択して青色のままになっている状態で左下にある「Filter On Device」にチェックマークを入れ、初期設定ではデフォルトになっているSelected Rateを「1000」に変更し、「Install Service」をクリックします。
※「Filter On Device」にチェックマークを入れた際に警告メッセージのポップアップが表示される場合がありますが、すべて無視して「はい」をクリックしてください。
⑥一度PCからPS4コントローラーを抜き、PS4コントローラーを接続しなおす
次に「Install Service」をクリックして左上の方に一瞬何かが表示され、その表示が消えてこのようにFilterが「Yes」でRateが「1000」になりましたら、一度PCと接続しているPS4コントローラーを抜いて接続しなおします。
そうしますと、接続しなおす前まではblntervalが1以外の数字だったのがこのように1となりますので、1になっていましたら、PS4コントローラーの入力遅延を減らす設定は完了となります。
※このhidusbfで行った設定は、一度設定すれば、基本OSを再インストールなどしない限りはまた設定する必要はありません。それですのでPCの起動するたびに再度設定をする必要はありません。但し、別なコントローラーを使用する場合は、そのコントローラーにもhidusbfで同じように設定を行うようにしてください。この設定はコントローラー一台一台する必要があります。また、この入力遅延を低減させる設定が適用されるのはPS4コントローラーを無線接続している時ではなく有線接続している時のみとなりますのでご注意ください。
2022年9月28日追記:私の環境下では、Windows 11の1年に1回の大型アップデート(バージョン22H2)を行ったところ、hidusbfがインストールされていない状態となり、もう一度hidusbfの設定をしなければならなかったので、Windows 11の大型アップデートをした場合はhidusbfの再設定を行う必要があるようです。
因みに私の環境の場合、PS4のコントローラーの入力遅延は、hidusbfで設定する前とした後ではこれぐらい低減しました。
hidusbfの設定に失敗してPS4コントローラーが認識されなくなってしまった時の対処法
この記事をご覧になっている方の中には、hidusbfの設定に失敗してPS4コントローラーが認識されなくなってしまった方もいるかと思います。
そのような方向けにこちらにその時の対処法についての記事を書きましたのでご覧ください。
Windows 11の大型アップデートを行った場合はhidusbfの再設定を行う必要がある
私の環境下では、Windows 11の1年に1回の大型アップデート(バージョン22H2)を行ったところ、hidusbfがインストールされていない状態となり、もう一度hidusbfの設定をしなければならなかったので、私と同じようにWindows 11の大型アップデートをしてhidusbfのコントローラーの入力遅延を低減させる設定が初期設定の状態に戻っている方がいましたら、hidusbfの再設定を行うようにしてください。
hidusbfの設定が上手くできない場合は?
この記事をご覧になっている方の中には、今回紹介した手順で行ってもPCPADのレポートレート(ポーリングレート)を変更することができない場合もあるかと思います。
そのような方は、最近私も購入したのですが、巷で話題になっているGameSir T4 Kaleidがhidusbfを利用しなくともGameSir T4 Kaleidの専用ソフトを用いることでこのようにレポートレート(ポーリングレート)を変更することができるようになっていますのでおすすめです。
また、T4 Kaleidには、スティックの基板部分にホールエフェクト磁気センサーといいったXboxコントローラーに使われている物よりも高精度高耐久の物が使われていますので、個人的にはT4 KaleidはXboxコントローラーの完全上位互換のコントローラーだと思います。
値段もXboxコントローラーとほぼ変わらない or セールの時はT4 Kaleidの方が安いぐらいですので、一度は試してみてほしいコントローラーです。