私は一年ほど前からビッグローブ光の1Gbpsプランを契約しています。
そして私はそのプランの中でもBIGLOBE IPv6オプションというものを利用しています。
今回は一般の方にはなじみの薄いBIGLOBE IPv6オプションというものについて様々な視点から初心者の方でもわかりやすいようにレビューなどをしていきたいと思います。
長くはなりますが皆さんが求めている問いの回答へ辿り着けると思いますので下の目次などを使って頂き時間があるときに少しずつ見ていただければなと思います。
BIGLOBE IPv6オプション(IPv6 IPoE+IPv4 over IPv6方式)とは?
まず、BIGLOBE IPv6オプションがどういったものか知らない方や聞いたことはあるけど詳しくは知らないという方向けに説明していきたいと思います。
BIGLOBE IPv6オプションはIPv6 IPoE+IPv4 over IPv6方式という通信方式のことをBIGLOBEが独自にそのように呼んでいます。
今、ほとんどの方が契約している回線の通信方式はIPv6 IPoE+IPv4 PPPoE方式と呼ばれるものかと思います。
わからない方向けに簡単に従来のIPv6 IPoE+IPv4 PPPoE方式とIPv6 IPoE+IPv4 over IPv6方式(BIGLOBE IPv6オプション)との違いについて説明します。
この2つの通信方式ですがIPv6関連のサイト(Googleなどの検索エンジンやISPなどのプロバイダ各社)やサービスを利用(youtubeやNetflixなどの一部の動画サイトや配信サイト)する時はどちらも同じです。
しかし、IPv4関連のサイト(今使われているサイトの大部分)やサービスを利用(オンラインゲームなどのオンラインサービスやニコニコ動画やdTVなどの大部分の動画サイトや配信サイト)する時は違ってきます。
どのような違いかと言いますと、1つの例を元に説明したいと思います。
実際の店や道路がネット上にあると仮定します。IPv4関連のサイトやサービスなどの店までの道が混んでいたとしましょう。時間帯はネットが一番混雑しやすい日曜日のゴールデンタイムです。
このような時、IPv4 PPPoE方式の場合はこの下の写真のように道路が渋滞しているのでスピードが出ず、中々目的のお店まで辿り着けない状態ですが
IPv4 PPPoE方式と違い、IPv4 over IPv6方式の場合はこの下の写真のように道路が空いているのでスピードが出て早く目的地まで到着することが出来ます。
それでIPv4 over IPv6方式はなぜ道路が空いているかというと、IPv4 over IPv6方式は渋滞しているIPv4専用道路ではなく、空いているIPv6専用の道路を通ることが出来るからです。
普通はIPv4はIPv4専用の道路、IPv6はIPv6専用の道路しか通れないですよね?
しかし、IPv4 over IPv6方式ではIPv4でも言葉はちょっと悪いかもしれないですがIPv4専用の車をIPv6専用の車に偽装してIPv6専用の道路を通ることが出来るということです。
多少違うかもしれませんが、プロバイダ各社が説明しているものではこれをIPv4をIPv6というカプセルで包んで目的地までIPv6で運んで目的地に入る直前でIPv4に解凍してくれるとなっています。
ここで疑問に思う方がいるかと思いますが、そもそも何故同じ時間帯なのにてIPv6専用道路は空いていてIPv4専用道路は混んでいるのか?
その理由を説明します。
NGN網終端装置
簡単に説明するとこれがあるかないかの差です。
インターネットに接続するとき、IPv6 IPoE方式は「網終端装置」を経由しないので早いです。
しかし、インターネットに接続するときにIPv4 PPPoE方式だとNGNを経由して網終端装置につながり、
- 平日の昼間などはネット速度が出ているのにゴールデンタイムなど夜になるにつれてネット速度が遅くなる
- 平日と違って土日などは一日中ネット速度が遅い
- オンラインゲームなどでラグやプレイ中にその場から弾かれる
など、IPv4 PPPoE方式で契約している方などはこういったことなどを何度も経験されているのではないでしょうか。
以前の私もそのようなことが頻発していました。
巷でよく言われる「IPガチャ」と呼ばれるものはその自分の今使っているグローバルIPアドレスの網終端装置が混雑しているから、ルーターを再起してグローバルIPアドレスを変えて網終端装置が混雑していないところを見つけるというものです。
ルーターを再起したらネット速度が速くなったなどは内部でこのようなことが行われています。
しかし、このIPガチャも一時しのぎでしかなく根本的な解決には至りません。
このようなことを知るとわざわざ網終端装置を経由しないBIGLOBE IPv6オプションにするのではなく単純に網終端装置が混雑しているのだったら増強すれば良いのではないかと思いますでしょうけどそれが中々様々な理由などで思ったようにできていません。
プロバイダ側が網終端装置を増強したいと思っても自由に増強できない
最初のうちはプロバイダ側がケチって増強したくないんだろうなと漠然と思っていましたけど色々調べていくうちにわかりましたがどうもそうではないようです。(今思うとそんなところでケチったってお客さんが離れていくだけであってプロバイダ側にメリットがないですよねw)
基本はNTTの回線事業者が定める一定の基準に満たないと増強できないみたいです。
その一定の基準というものが網終端装置の一個あたりにおけるセッション数です。
その一方でプロバイダ側が増強を求める基準というのがトラフィック量です。
皆さんお分かりかと思いますが、両者の基準が根本的に食い違っていますよね。
個人的な見解ですけど、私はこの両者の基準を比較してみると正直プロバイダ側の主張の方が正当性が高いように思います。
現在私もそうですけど一家庭でPCやタブレット端末、スマホなど複数の端末でネットに接続し、接続する数が年々増えていますよね。
しかも、トラフィック量も数年前と比べて膨大に増えていますよね。
それにも関わらずNTTの網終端装置の増強の基準はセッション数と正直時代に合っていないと思います。
NTTの基準は一家庭でもネットに接続する端末はPCだけの一台でトラフィック量も少ない10年以上前の基準を基に考えているように思えてなりません。
このことからプロバイダ側が網終端装置の増強の基準の変更などを求めて色々と要望を出しているみたいです。
詳しくは下記のリンク先を見てください。
https://www.jaipa.or.jp/topics/2018/04/ngn.php
しかし、これを見るとプロバイダ側が求める基準にはならずセッション数の基準を20%引き下げるということになったみたいです。
まとめ
こういったように現状、プロバイダ側が網終端装置を自由に増強できないので網終端装置を経由する必要がないBIGLOBE IPv6オプションやそれと類似したサービスをほかのプロバイダなども展開するようになっています。
私はこの記事を書く過程でNTT側とプロバイダ側との問題を知りましたが、BIGLOBE IPv6オプションに決めた時はそういったことなどを知らずに早くなるかもしれないというという漠然とした理由でBIGLOBE IPv6オプションにしました。
もし、私が事前にこれらの問題や従来の通信方式で遅くなる理由がわかっていたとしたら自信を持って迷いなくBIGLOBE IPv6オプションにしていると思います。
ビッグローブ光 BIGLOBE IPv6オプションのレビュー
上で説明しましたようなことを踏まえた上でBIGLOBE IPv6オプションのレビューをしていきたいと思います。
BIGLOBE IPv6オプションとそうではない時の実測値なども載せていますので参考になるかと思います。
auひかりからビッグローブ光へ
私が前に契約していたのはauひかりでした。
私はauひかりのままでも特に不満があったという訳ではないんですけど(強いてあげるとすれば若干、私がプレイしているオンラインゲームとの相性が悪かったぐらいで)、ネット関連の記事をふらふらと見ているときに、IPv4 over IPv6というものがあり回線の混雑の影響を受けにくいと知り興味を持ちました。
それでIPv4 over IPv6 のサービスを展開しているフレッツ系のプロバイダを調べたのですが、調べていくと私がASDL時代からauひかりまで20年近く愛用しているプロバイダ「BIGLOBE」がIPv6オプションというサービスを展開しているということがわかりました。
「BIGLOBE」は以前はv6プラスというサービスを展開していました。
このv6プラスというものは現在もIPv4 over IPv6方式を展開している他の多くのプロバイダも同じようなサービスを展開していますが、今でもその多くのプロバイダはJPNE(日本ネットワークイネイブラー株式会社)というVNE事業者の設備を借りてサービスを展開しています。
しかし、「BIGLOBE」は2017年の7月31日まででBIGLOBEユーザーで既にv6プラスになってサービスを継続している方以外はサービスの終了と新規受付を終了し、2017年8月からは「IPv6オプション」というサービスを新たに開始しました。
この「IPv6オプション」というものは、v6プラスの時にはJPNEの設備を借りてサービスを展開していたましたがそれとは違って、「IPv6オプション」になって自前で新たに設備を構築してサービスを展開するようになりました。
それで私が申し込む2017年9月30日のタイミングでは既にv6プラスの新規受付は終了していたので「IPv6オプション」の方になりました。
ビッグローブ光へ申し込んでから回線工事を経てBIGLOBE IPv6オプションが開通までの期間
上にも書いたように2017年の9月30日にビッグローブ光へ申し込みをしました。
そして回線の工事はそれから約2週間後の10月14日でした。
土日の日を選んだのでそれぐらいかかりましたが平日であれば、もう2、3日は早く来てもらえたみたいです。
工事の方は何も問題がなく無事に終了し、その日のうちにネットも開通したのですが、IPv6オプションの方はその日のうちには適用されませんでした。
翌日になっても適用されなかったので、その時はもしかしたら翌月にならないと適用されないのかなと思っていました。
しかし、そう思い始めていた2日後の0時過ぎにルーターのPPPランプが点灯していたのが消灯してIPv6オプションが適用されました。
これからビッグローブ光を申し込む予定の方や既に申し込んでIPv6オプションが適用されるのを待っている方への情報として、IPv6オプションが適用されたかどうかの合図はこの下の画像のようにルーターのPPPランプが点灯していたのが消灯したときです。
あとはIPv6オプションが適用されていないときはIPv4 PPPoEの設定をいじくることが出来ていたのがIPv6オプションが適用されるとこの下のように半透明になって設定をいじくることが出来ないようになります。
BIGLOBE IPv6オプション接続(IPv4 over IPv6)した時と従来のIPv4 PPPoE接続した時とのスピードの比較
BIGLOBE IPv6オプション接続とIPv4 PPPoE接続を比較してみて、一番の違いは何といっても一日を通してのスピード差がほとんどなくなったことです。
従来のIPv6 IPoE+IPv4 PPPoE接続時
------ BNRスピードテスト (ダウンロード速度) ------
測定サイト: http://www.musen-lan.com/speed/ Ver5.6001
測定日時: 2018/12/06 22:06:33
回線/ISP/地域:
--------------------------------------------------
1.NTTPC(WebARENA)1: 629.77Kbps (78.68KB/sec)
2.NTTPC(WebARENA)2: 813.96Kbps (101.11KB/sec)
推定転送速度: 813.96Kbps (101.11KB/sec)
BIGLOBE IPv6オプション(IPv6 IPoE+IPv4 over IPv6)接続時
------ BNRスピードテスト (ダウンロード速度) ------
測定サイト: http://www.musen-lan.com/speed/ Ver5.6001
測定日時: 2018/12/06 22:33:54
回線/ISP/地域:
--------------------------------------------------
1.NTTPC(WebARENA)1: 250.38Mbps (31.30MB/sec)
2.NTTPC(WebARENA)2: 320.29Mbps (40.03MB/sec)
推定転送速度: 320.29Mbps (40.03MB/sec)
両方を比較してみて
これを見ていただくとわかりますようにスピード差が顕著だと思います。
一番重くなりがちな時間帯であるゴールデンタイム時で従来のIPv6 IPoE+IPv4 PPPoE接続時では混雑していることから1Mbpsすら出ていませんが、そのような時間帯ででもBIGLOBE IPv6オプションだと300Mbpsも出ています。
この時間帯以外でもIPv6オプションだと曜日時間帯関係なく安定してスピードが出ます。
これは決してIPv6オプションが速いということではなく、IPv6オプションがその回線のポテンシャルをしっかり発揮できているところが大きいかと思います。
BIGLOBE IPv6オプション下でも従来のIPv4 PPPoE接続をする方法
上のスピード比較で気が付いた方もいるかと思いますが、このスピード比較した日は2018年の12月6日です。
これであれっと思う方がいるかもしれません。
なぜBIGLOBE IPv6オプションなのに従来のIPv6 IPoE+IPv4 PPPoE接続でのスピードを測定することが出来たのかと。
これには理由があります。
実はBIGLOBE IPv6オプション下でも従来のIPv4 PPPoE接続をする方法があります。
これからそれの方法について説明していきます。
まず、これを見てください
一般的にルーターの設定するところはこれだと思います。
しかし、IPv4 PPPoE接続にする方法はここではなく
http://192.168.1.1:8888/biglobe.ipv4/mainm
またはhttp://192.168.1.1:8888/t/へアクセスしてのIPv4設定から入ります。
すると
このような画面が表示されると思います。
次にこれの左にある高度な設定をクリックします。
すると
このような画面が表示されると思います。
これのIPv4の一時停止の機能停止にチェックを入れて設定をクリックします。
これでIPv4 PPPoE接続に切り替わるので念のために
http://www.ugtop.com/spill.shtml
で自分のipを確認してください。
このような画面が表示されると思います。
ここのゲートウェイの名前に表示されるflhの次が1になっていればIPv4 PPPoE接続に切り替わっているのでOKです。
それとは反対にIPv6オプションの時はここがこの上のスクショのようにflh2になります。
これでIPv4 PPPoE接続への切り替えは完了です。
IPv4 PPPoE接続からIPv6オプションへ戻したい時は?!
IPv4 PPPoE接続からIPv6オプションへ戻したいときは先ほどのIPv4 PPPoE接続へする時にやったことと反対のIPv4の一時停止の機能停止のチェックをはずし、設定をクリックします。
そのあとにルーターの再起をします。
次にルーターのを設定する
から接続先設定(IPv6 PPPoE)の中にあるIPv6セッションの接続をクリックして10分ほど待ってください。
すると正常にIPv6オプションになっていれば
このように接続先名や優先接続、UPNP優先などが透明な感じになります。
あとは、http://www.ugtop.com/spill.shtml
へアクセスし、flh2になっていればOKです。
ここで私も時々なっているのでお知らせしておきますがIPv6オプション下でも普通にルーターを再起しただけでIPv4 PPPoE接続になってしまってIPv6オプションが解除されてしまうことがあります。
そんな時は上で説明したIPv4 PPPoE接続からIPv6オプションに戻す方法を使っていただければ元に戻すことが出来ます。
オンラインゲーム
私は今特に何も問題がなくIPv6オプションで快適にオンラインゲームなどをプレイできています。
心配される方がいるかもしれないオンラインゲームのPCやPS4での接続も問題なくできています。
重いときやラグいときもIPv6オプションによるものではなく、ゲームのサーバー側の問題で起きていることが殆どなのでそういった点で心配している方は安心してください。
IPv6オプションやv6プラスはNATタイプは2(モデレート)になりますが特に私がプレイしているゲームでは接続できないなどの問題は起きていないです。
まとめ
私はビッグローブ光が開通してIPv6オプションが適用されるまでの数日間はIPv4 PPPoE接続だったので、身をもって今の夜間などのフレッツ光の遅さを体験しました。
IPv6オプションは今、IPv4 PPPoE接続の方には特におすすめのサービスです。
各サイトや動画サイトのサーバーがおかしくなってはいないときでもIPv6のサイトや動画サイト(YouTubeなど)では快適なのにIPv4のサイトや動画サイト(ニコニコ動画など)を見るときはまともに見れないという方は間違いなくIPv6オプションにすればそのような問題が解消されるので自信をもってお勧めします。
コロナ禍でのビッグローブ光(BIGLOBE IPv6オプション)の回線状況について
コロナ禍でのビッグローブ光(BIGLOBE IPv6オプション)の回線状況については、こちらに記事を書きましたのでご覧ください。